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大型トラックドライバーに転職するリスクとは?【元ドライバーが教えます】

投稿日:2019年8月13日 更新日:

最近「年収アップ目的」で「大型トラックドライバーに40代で転職」を希望する人が増えています。

 

特に多い転職理由がコチラ↓↓↓。

  • 一人で気楽
  • 誰でもできる仕事
  • 運転するだけだから楽そう
  • 慎重に運転すれば事故らない
  • 大型免許持ってたら採用してもらえる
  • 運転するだけでたくさん給料がもらえる

しかし、上に挙げたイメージだけ転職すると、痛い目を見るのが大型トラック業界

 

確かに一見楽そうですが現場は本当に厳しいですよ。むしろリスクだらけです。

 

どうしてお前にそんな事が分かるんだ?と思うでしょう。

それは、現在ヤマト運輸に勤めているドライバーの話を聞けたからです。

【プロフィール】

  • 40代前半
  • 妻子あり(娘二人)
  • 長距離運転手暦10年
  • 子どものころからトラックが好き
  • 大人になったらトラックの運転手が夢だった

 

この方の体験談を簡単にまとめるとこんな感じ。

  • 時間厳守
  • 体力が必要
  • 高速代自腹(条件有)
  • 常に危険と隣り合わせ
  • 最初から大型に乗れない
  • 転職後、数年は年収ダウン
  • 良い会社を選択しないと絶対失敗する

いかがですか?

 

こうやって現実を並べると、大型トラックドライバーの現場は、アナタが想像している以上に『理不尽でリスク』だらけだと理解できるでしょう。

 

ということで今回は、「大型トラックドライバーへ転職する前のリスク」を紹介します。

まずは生活面でのリスクです。

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家族持ちが抱えるリスク

転職する上でのリスク

「家族持ちは後悔が多い」といわれる大型トラック運転手。どうして後悔が多いのか?その理由はコチラです。

長距離は家に帰れない

家に帰るのは3日おき

「オレは娘たちの運動会や入学式に出てやれたことがない・・・」

これは大型トラックドライバーをしていたヤマトのドライバーの言葉です。

 

以下は会社を出発してから自宅に帰るまでのスケジュール。

  1. 朝、東京を出発
  2. お昼に静岡着
  3. 夜中、大阪に到着して仮眠
  4. 翌朝、大阪から福島へ
  5. 福島から東京の会社に帰庫
  6. 自宅に帰るは深夜

朝、自宅を出発しても帰宅するのは翌日の夕方。

これじゃ、子どもの行事に参加するのはほぼ不可能です。

 

休み希望を聞いてくれる会社でも、トラックに乗った当日に帰宅できることなんてほぼありません。

家族を残して家を空ける

家族だけだから心配

「オレがいない間に家族に何かあったら・・・」

 

  • 仕事中に家族の身を考えるだけで不安になる。
  • 身内に急用ができても遠方だとすぐに帰れない。

いざという時、家族の側にいられないから仕事中は常に不安が付きまとう。

と元大型ドライバーは教えてくれました。

奥さんが病気になったら子供の面倒が見れない

不在時子供の面倒は誰が見る

「嫁さんが病気になったら誰も子供の面倒を見る人がいなくて辛い」

 

これも元大型ドライバーが語った本音です。

近くに親戚や両親は住んでいないか聞いたら、「親戚も実家も遠いので難しい」と答えました。

 

アナタは大型運転手になっても、『奥さん以外』に子供の面倒を見てくれる人がいますか?

子どもが自立できる中学生や高校生になら問題ないですが、幼稚園や小学生のお子さんがいるなら、頼れる人を探しましょう。

体調不良でも休めない

休めない

「体調不良でも休めないのが辛いんだよな~」

 

大型トラックのドライバーは、急な体調不良でも休めません(ヤマト運輸も同じ)

高熱や腹痛に耐えながら、長時間運転を強いられる事が多い事を覚えておいてください。

 

よほどの大手は下請けドライバーが代わりに出勤するケースもありますが、すべての会社に代わりのドライバーがいるわけではありません。

長距離運転は40歳超えたら体力がもたない

体力が心配

「40歳越えたら大型トラックのドライバーは大変だよ」

 

ヤマト運輸のドライバーもそうですが、大型トラックドライバーも40歳を過ぎたらキツイ仕事です。

40代って本来だったら、ドライバー職を降りて『内勤』になる年齢ですからね。

 

すべての運送会社が40代にキツイ仕事をさせる訳じゃないですが、若い人と比べるとどうしてもキツいです。

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給料・待遇に関するリスク

給料について

続いては給料・交通費などのリスク、ブラック企業についてです。

一見するとぜんぶ会社負担のイメージがありますが実際は違います。

給料はピンキリ

勤め先でだいぶ違う

「給料は毎月40万円以上もらえたけど、会社によってかなり差があるよ」

これも元ドライバーの話です。

 

【関連記事】>>大型トラックドライバーで年収600万稼げる?ヤマト運輸と比較してみた

 

「大型トラック運転手 = 給料がいい」というイメージですけど、実際に話を聞くと運送会社によってかなりの差があります。

【トラックドライバーの給料は?】yahoo知恵袋より

【質問者】

トラックドライバーの給料は、その労力に見合っていないのでしょうか?

【回答者】

大型ドライバーです。

給料はピンからキリですね。年収500万円以上の会社もあれば200万円以下の会社もあります。

年収600万円以上という求人も多数ありますが、実際は事故の請求や高速代の自腹を考えると、収入は決して多くないです。

荷物が破損すると全額弁償

荷物の弁償費用について

「新人の時、一度だけ荷物を壊したことがあるんだ。そしたら全部自腹で弁償させらてさ。マジでビビッたよ」

 

荷台の荷物の固定が甘く、破損させてしまった元ドライバー。

 

この時の弁償額は5万円・・・。

たった一回の不注意で5万円が飛んでしまうなんて酷すぎます。

「会社が保険で弁償してくれるだろう」と考えいましたが、ペナルティーと言われ全額自腹で保証する羽目になりました。

保有台数が多い企業は無保険の可能性!

無保険会社の説明

トラックの保有台数が多すぎる会社は、車両保険無加入の可能性あり

【任意保険について】yahoo知恵袋より
台数多く所有している会社は要注意。任意保険入っていません。
仮に事故が起きたとしましょう。
毎月台数分の保険料を払いつづけるより全額自社で弁済したほうが安上がりだという発想です。
そして事故を起こせば飼い殺しにされるのがオチです。

大手なら何も問題ないですが、「車両保有台数500台以上の中堅・それ以下」は、車両保険未加入が多く、事故ったら自腹請求も多いです。

仕事を早く終わらたいなら高速代は自腹

自腹もありえる

「指定された区間外の高速代は自腹」

 

指定区間内だけの移動で済むなら問題ないですが、実際は道路事情の絡みがあり、中々うまくいきません。

特に多い例がコチラ↓↓↓

【パターン1】
渋滞に巻き込まれてこのままじゃ指定時間に間に合わない。

時間に間に合わせるために、指定区間外の高速に乗るしかないか。

【パターン2】
朝はゆっくり出発したい。客先になるべく早く着いて荷物を降ろすまで仮眠したい。

主な理由は時間節約ですが、こうやって区間外の高速利用を繰り返すと自腹額はドンドン増えます。

 

【トラックドライバーの自腹代金】yahoo知恵袋より

【質問者】

トラックのドライバーの方は、自腹で高速代、毎月いくらぐらい使うのですか?

【回答者】

大型ドライバーです。

会社(荷主)から指定された区間は会社(荷主)負担です。(会社負担額は月に30万円前後)
自腹負担額は月7~8000円位です。

重大事故は自腹・減給・賠償

賠償責任の可能性も

「自分の責任で事故を起こしたら賠償させられる会社もある」

 

最初に言っておくとすべての運送会社がアナタに賠償をさせるわけじゃないです。

ただしそのような会社もあるので、しっかりと自分の目で会社を「見極め」めてください。

【勤務中の事故自腹は普通?yahoo知恵袋より】

【質問者】

トラックドライバーの親父が勤務中に事故を起こしてしまい修理に100万位かかったらしくボーナスが無しだと言われた見たいなんですが実際にあり得るんですか?

【回答者】

俺の会社は一回の事故で5万免責分支払いあるよトラック潰れてもミラー吹っ飛ばしても 親父がいってる会社はトラック潰してもなんもないみたい

会社によりけりじゃない?知り合いのとこは200万かかったら200万分返さないとやめれないみたいだし また事故おこすと上乗せでやめるなら一括返済出来なければ飼い殺しだよ 事後起こされたくなければもっと改善してくれって(怒

最初に説明した「無保険」の運送会社は、重大事故の賠償を自腹で払わせる典型的な例です。

ネットには「自腹」がほとんどという現役ドライバーの声もあります。

【事故の賠償】yahoo知恵袋より
台数多く所有している会社は要注意。任意保険入っていません。

仮に事故が起きたとしましょう。
毎月台数分の保険料を払いつづけるより全額自社で弁済したほうが安上がりだという発想です。そして事故を起こせば飼い殺しにされるのがオチです。

「おかま」掘ったら最悪のケースも

オカマは危険

「大型トラックで『おかま』掘ったらヤバイ・・・」

 

大型は運転席が高く、おかまを掘っても運転手は無傷でいられるイメージがありますよね。

でも実際は全く違います。

 

大型トラックが追突した場合、キャビンが大きくヘコみ、命取りになります。

事故率最多は40代

年齢別の事故率

「事故率は40代が一番高い」

 

以下の年齢別追突事故件数をご覧ください。

【平成25年度 全日本トラック協会資料より】

  • 40代  3,132件
  • 30代  2,270件
  • 50代  2,009件
  • 20代  1,893件
  • 60代  1,110件
  • 20歳以下   91件

判断力の劣る50代、60代以上と比較して40代の事故件数が圧倒的に多いと分かります。

※40代の大型ドライバー人口が多いのも理由の一つ。

【全日本トラック協会より】
40代が最多

種類別トップは「追突事故」

最も多いのは追突事故

「追突件数が一番多い」

 

平成25年度の事故件数は『18,491件』。

その中で追突事故が最も多く、半分の52%を占めます。

 

18,491件の内、1割の【1,854件】が高速道路上の事故ですが、追突事故率は73%に上昇

【全日本トラック協会より】

一般道と高速用

『国の血液』と言われる大型トラックドライバーは、夜間に高速道路の走行をしますが、疲労からくる眠気で追突事故を起こしやすいのがわかります。

免許取得制度は「アナタを職場に残す」縛り

免許制度の罠を説明

「大型免許取得費用は全額負担します」はアナタを縛る罠。

 

大型免許を持っていない人にとってありがたい「全額会社負担」での免許取得サポート。

これは逆にいうと「会社が免許の金出してるんだ。辞めるっていったら全額返してもらうぞ!」ってこと。

 

つまり、「免許費用の全額負担制度」ありの会社は辞める際に負担金を払う必要があり、非常に辞めにくいです。

毎回求人出してる会社はブラック確定

求人数が多いとだめ

「この会社、毎回求人出してるな・・・」はブラック企業確定。

  1. 人が辞める
  2. 求人を出す
  3. 補充してもブラックですぐ辞める
  4. また求人出す

この繰り返しです。

転職のハードルは低くても、入社してみたら以下のような会社はザラです。

  • 休みが週一
  • 労働時間が異常に長い
  • 行きは高速、帰りは下道(一般道)

遠方に荷物を届けて帰りは下道しか使えないと、帰るのに時間が掛かり過ぎます。

 

その結果、労働時間が長くなり体力が続かない。

更に休みは週一なので疲れが取れず、仕事が続かなくなって辞めるのパターンがとにかく多い。

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大型運転未経験者に教える事実

未経験者のリスク

「大型トラックの免許はもっているけど、大型トラックの運転経験はない」人に注意してもらいたい事を書きました。

大型免許はあってもすぐに乗れない

なぜ乗れないのかの説明

「最初から大型トラックに乗務させてはもらえない」

 

なぜたと思いますか?

どんなに運転技術が高くても「大型免許を持っている」だけだと、『法的に免許を持っている初心者』だからです。

 

いきなり大型トラックに乗務させて事故を起こされたら、会社はもちろんですがアナタ自身が不幸になります

そうならない、させないために段階を踏んでトラックの運転に慣れてもらいたいのです。

 

以下のように段階を踏んでステップアップしていきます。

  1. 採用後は4トン乗務
  2. トラックの感覚を掴む
  3. 慣れたら大型トラックへ!

 

4トンだからと舐めたらダメです。

なぜなら、会社はアナタの運転技術を細かくチェックしているから・・・。

運転技術が上達しなければいつまで経っても大型の乗務は間違いなくムリです

大型に乗務するまで給料低い

なぜ安いかの説明

「いつまでも4トンだと給料が安い」

 

試用期間は短くて3ヶ月、長くて半年。

その間に4トンの運転技術を完璧に身につけないと、最長半年間は薄給で働く事になります。

 

早く給料アップする方法は運転技術をしっかり磨く以外に方法は無いです。

過酷な現場

過酷な理由の説明

楽なイメージがある大型トラックの運転手がどれだけ過酷な仕事かを紹介します。

大渋滞でも時間厳守!

大型トラックは時間を守るのが基本

「大型トラック運転は時間厳守!」

ヤマト運輸も大型トラック運転手も同じです。

 

「楽そう」

といわれる大型運転手ですが、実はお客さんの納品に間に合うように必死で運転してます。

  • 台風などの自然災害
  • お盆・正月の帰省ラッシュ

これらが原因の渋滞でも、お客さんは待ってくれません。荷物が遅れたらクレームを言いますし、最悪は取引中止。

 

取引先に損害を与える人間を雇い続けるほど余裕がある会社はありません。

損害を与え続けたらアナタは首です

運転は眠気との戦い

眠気の説明

「夜間の運転は眠気との戦い」

 

サービスエリアやパーキングで休んでも、1時間の仮眠じゃ眠気が取れないから3時間は必要。

でも3時間も仮眠すると客先に間に合わない or 渋滞に巻き込まれるなどの支障がでる。

 

もっと過酷なのは一般道(下道)。

コンビニに停めようにも駐車場が狭いと止められないし、駐車場が広い道の駅でも白線からはみ出しての駐車は色々言われるからです。

 

気合入れて不眠不休で連続運転しようにも、時間が4時間を越えると、デジタルタコグラフ(※)に情報が記録されてしまう。

そうなると役所の監査の際に証拠として残ってしまうので、長くても3時間以内に休憩を取れと言われる。

(※)【デジタコとは】フジソフトより
デジタコ(デジタルタコグラフ)とは、自動車運転時の速度・走行時間・走行距離などの情報をメモリーカード等に記録するデジタル式の運行記録計のことです。

他に、

  • 急ブレーキ
  • 急アクセル
  • 制限速度オーバー
  • アイドリング時間

もヤマト運輸と同じように記録されます。

 

もう完全な悪循環です。

手積み・手卸しはハード&腰に負担

なぜ大変かの説明

「10トントラックから重い荷物を自力で積み下ろす作業は腰の負担になる」

 

「荷物を運ぶだけ」が大型トラック運転手の仕事ではありません。

  1. 早朝に10kg以上の荷物を100個以上積み込み出発。
  2. 500km先の中間地点まで荷物を届ける。
  3. 目的地に着いたら荷物を全部おろす。
  4. また新たに積み込んで300km先の最終目的地に荷物を納品する。

こうやって大型トラック運転手は日常的に体、特に腰を酷使しています。

【ハードな荷物は?】yahoo知恵袋より

【質問者】

トラックドライバーの仕事内容で1番ハードな荷物はなにですか?

【回答者】

人それぞれだけど、手積み、手卸しの地場仕事

荷物の積み下ろしだけじゃありません。

乗り心地が悪いトラックの「長時間運転は腰を傷める」ことも忘れないでください。

GPSで場所、速度監視されてる

GPSによる監視体制

「速度、運転技術、位置情報は全部把握されている」

 

「運転中はずっと一人。大型トラック運転手って気楽でいいな~」なんて思ったらダメです。

ヤマト運輸のCTナビと同じく、運送会社のトラックには「ドラレコ」と「GPS」が付いていますから、乱暴な運転は絶対できない仕組みになっています。

  • 時間に間に合わないから少しだけ急ごう
  • 前の車が遅くてムカつくから煽ってやろう
  • 時間が余るから少し寄り道して帰ろう

これらは全部、会社に見られていますから、一人で気楽な仕事じゃありません

当然、サボれないです。

スピードリミッターの存在

スピードが出ない理由

「90kmでリミッター動作」

 

これは2003年9月から、大型トラックへのスピードリミッター装着が義務化された影響です。

スピードリミッターの義務化
新たに登録する大型貨物自動車(車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上)に対し、90km/hを超えて加速できないようにする速度抑制装置(スピードリミッター)が道路運送車両の保安基準により2003年9月より義務付けられている。

「スピード出せないなら安全に仕事できるじゃん」といわれれば確かにそうです。

しかしどうしても急がなくちゃ間に合わない時に、スピードが足せないと精神的に余裕が持てず、イライラする原因になります。

ボロトラックだと更にイライラ

スピードが出ない理由

ボロトラックはスピードが出ない・・・

 

トラックはサイズが大きくなるほど燃費が悪く、スピードが出にくくなります。

ただでさえスピードが出ない大型トラックですが、整備が不十分な「ボロトラック」は本当にスピードが出ないんです。

 

トラックの整備費をケチる運送会社に入社すると、相当時間に余裕を持って会社を出ないと、目的地にたどり着けません。

大型トラックドライバーはリスクだらけ

リスクのまとめ

いかがでしたでしょうか?

大型トラックドライバーになるためには、これだけのリスクを覚悟した上で転職しないと勤まりません。

  • 家に帰れない
  • いきなり大型に乗れない
  • 事故や荷物の破損は自腹
  • 時間厳守、スピードは出せない
  • 体調不良で休めない・40歳過ぎたらキツイ

これらリスクを考え、納得した上で求人に応募しないと、結局辞める羽目になります。

 

それでもトラックドライバーをやりたい!という人は、なるべく従業員を大切にするホワイト経営の会社を選びましょう。

 

良い企業はプロのエージェントに聞けば分かりますので、まずはDYM転職に登録して相談をしてみることをオススメします。

 

【関連記事】>>大型トラックドライバーで年収600万稼げる?ヤマト運輸と比較してみた

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