これは、年収600万円の大学病院の『医療事務の元課長』から、非正規に転落しながらも「人生を楽しんでいる40代の男性」の話です。
「アルバイト」、「パート」、「派遣」など非正規で働いているアラフォーの皆さんは、今の状況に焦りはないですか?
就職氷河期の影響、家庭的・個人的事情があるとえ、40代で非正規だと正直辛いですよね。
正社員で働く私もそうですが、「あの時に会社を辞めなければずっと正社員でいれたのに・・・」と何らかの事情で会社を辞めて、後悔している人も多いでしょう。
今回は、そんな皆さんと同じ境遇を持った男性kさんがどうやって生きているのかを紹介します。
まずはkさんのプロフィールをご覧ください。
- 名前 kさん
- 年齢 40代前半
- 性別 男性
- 前職 大学病院医療事務の課長で年収600万円
- 退職理由 精神的な体調不良
- 現職 非正規パート
- 年収 200万円台(時給1,100円)
- 既婚
- 子供 なし
冒頭で書いたとおり、約束された将来がありながら、転落人生を歩んでしまったkさん。
「40代前半なら、必死で転職活動すれば仕事はあるんじゃないの?」
はい。実は現在の職場で何度も「正社員にならないか?」と声をかけられているkさんですが、正社員になることを拒んでいます。
正社員にならない理由を話す前に、人生を楽しみつつも非正規になってkさんが痛感したことをご覧ください。
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非正規になって痛感した事
「非正規になってはじめてわかったことがたくさんある」と毎日の生活で不安を抱えている本音を漏らすkさん。
何が不安なのか直接聞きました。
いつクビになるか分からない
「今は働けてるけど、いつクビになるか分からないのが不安」
やはりこの一言は重みがあります。
正社員と同じ仕事をしていても、不景気になったら真っ先に切られるのは『非正規労働者』です。
子供がいないとはいえ、kさんのようにアラフォーの再就職は、厳しいという現実があります。
将来を見いだせない
「共働きとはいえ、少ない給料で将来が心配だよ」というkさん。
今はそこそこ安定した収入を得ていますが、「働けなくなった時のことを考えると怖い」とも漏らします。
今のまま働き続けても、「大幅な給料アップは望めない」から、贅沢するのが怖いと本音で語ってくれました。
だからこそ、節約が大切だと強調します。
貯金ができない
「給料が少ないから貯金だってロクにできない・・・」
ボーナスがもらえない非正規社員は、正社員と比べて貯金額も低いまま・・・。
さすがに貯金額は聞けませんが、話を聞く限り「あまり貯金は無い印象」を受けました。
しかも40歳過ぎて貯金が殆ど無いので、これからの人生に不安を抱かずにはいられないと言います。
休みが多いと給料が少なく安定しない
「時給だから休日が多いと給料が少なくて安定しない」
非正規社員はボーナスがもらえない以外のデメリットあります。
それは5月、12月、1月といった休日が多い月の給料が少なくなるということです。
休日日数に関係なく同じ給料がもらえる正社員に対して、非正規労働者の不利な点は給料面に大きく現れます。
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正社員にならない理由
非正規社員の「いいところ」も「不利なところ」も知っているkさん。
今の会社はパートとして入社した経歴を持ちますが、実は何度も「正社員にならないか?」と正規雇用のオファーを受けています。
しかし、かたくなに断り続けるkさん。なぜ正社員に誘われたのに断ったのかは以下をご覧ください。
ダメ上司に振り回されたくないプライド
「オレにもプライドがある」
kさんが44歳の今もパート社員でい続ける理由は、「仕事ができない上司連中の下でコキ使われ、苦労するなんてプライドが許さない」からです。
勘違いしないでくださいよ。
プライドが高いんじゃなくて、最低限のプライドから導き出した結果が「今」なんです。
「アラフォーの非正規がプライドなんて持ってどうする?」とkさんの上司の特徴を見てもそんな事言えますか?
- 要領が悪い
- 元引きこもり
- 元いじめられっこ
- 他人を見下している
- 報・連・相ができない
- 責任を部下に押し付ける
- 仕事ができると勘違いしてる
これがkさんと私の上司の特徴です。
私とkさんの職場は、こんな最悪な上司が社内に2人もいて、別部署の連中もこんな感じのコミュ障ばかり。
だから「ずっとコキ使われる人生なんてオレはイヤだ」と、正社員への道を「あえて蹴って」パート社員で働いています。
個人的にこのkさんの行動が「本当のプライド」だと感じました。
責任を「一方的に」押し付けられるから
「ダメ上司の部下になったら全部オレに責任を押し付ける」
kさんと私のダメ上司は都合のいい事ばかり言って、責任を取らずにいつも逃げ出します。
過去にいじめられた経験がる上司は、「オレが責任者だ」と偉そうな口を叩くくせに、クレームを受けると「私じゃない」と逃げて、部下に責任を押し付ける最低なヤツ。
kさんは入社当時からダメ上司たちの「逃げ」を見抜いていて「正社員になったら絶対責任を押し付けられる」と確信していた。
だから責任を負わなくてもいい「非正規社員の道」を選んだのです。
ちなみに、kさんは責任感を持って仕事をしてますから、「責任感の無いやつだな」と勘違いしないように!
精神をわずらった
「ここに入社する前は、大学病院の医療事務をしていたんだ」
冒頭で触れましたが、以前の年収と勤務形態を改めて載せます。
- 役職 課長
- 年収 600万円以上
- 勤務時間 夜勤ありで不規則
役職は課長で年収600万円以上、しかも安定した大学病院での医療事務員。
しかし、24時間体制の病院ですから事務でも勤務時間は不規則で、毎日多くの患者さんを相手に受付やカルテの準備で大忙し。
更に、医療事務ながら『目の前で人生の幕を閉じる患者さん』を目の当たりにして精神的に参ってしまった。
理不尽なことをいう客と、仕事の重圧から精神をわずらい、休職して辞めざるを得なくなりました。
やめた結果、今の会社にパートで入社。
ですから先ほど書いたとおり、ダメ上司の下で働くのはプライドが許さないと、正社員登用のチャンスを蹴ってパートで働いています。
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上司からのヒドイ言葉
続いては、kさんが「この会社はダメだ」と思ったクズ上司の行動と言葉を紹介します。
罵声を浴びせる
「何で勝手に教えてんだ!」、「余計なことするな!」
kさんに罵声を浴びせ新人教育を阻むダメ上司たち。年齢は40代のkさんより
ダメ上司たちは「元引きこもり」と「元いじめられっこ」で社会人経験一切なし。
就職氷河期も関係ないボンボンの息子たちで、苦労もせず指導方法すら知らないので、新人が入っても仕事を教えません。
私も入社当時、ぜんぜん仕事を教えてもらえずkさんが親切に指導してくれました。
それなのに、「あの新人はぜんぜん仕事ができない」、「オレが一番できる」と常に優位な立場でい続けようとする2人の上司。
※言い換えると『仕事を教えた新人に抜かれるのが怖い』ダサい人間なんです。
指導しない上司たちを見かねたkさんは、新人が入るたびにダメ上司に見つからないよう注意しつつ、新人の指導に当たったそうです。
「アイツら(上司)は仕事を教えたり指導する大切さを知らない」と語るkさんだけが、今の会社で唯一まともな社員です。
相談事に耳を貸さない上司
ダメ上司「は?私だってkさんに言いたいことありますよ」
これは、kさんが職場の人間関係で悩み続けて上司に相談した時に、上司から言われた言葉です。
当時新人だったkさんは、職場に一刻も早く馴染みたかったといいますが、心無い社員たちにひどい言葉をかけられヘコみ続けます。
「このままじゃ病院に勤めていた時と同じだ・・・」
「ダメ上司に何を言っても聞き入れてくれない。もう自分のためだけに仕事をしよう」
病院勤務の過去のように、気持ちに負担をかけたくなかったkさんは割り切ります。
非正規社員の暮らし
非正規社員は不安定な面もありますが、「意外と大丈夫」と言います。その訳はコチラ。
子供がいない分の負担は減る
「子供がいない分マシかな」はkさんの言葉。
生活が苦しいのは非正規に限らず、正規社員も一緒です。
しかも子供がいると、「正社員になって家族を養わなきゃ」と精神的に追い詰められてしまう人もいます。
ですが、kさんのように非正規でも結婚して共働きであれば、生活は厳しいですが子供の心配は要りません。
また奥さんと共働きですから、多少生活に余裕はあります。
ただし「生活は厳しい」と本音を語ってくれました。
趣味が生きがいになった
「レトロな空き瓶を集めるのがオレの生きがいだ」と笑顔で教えてくれたkさん。
何度も自宅にお邪魔させてもらいましたが、部屋のドアを開けると古いコカコーラのビン、見たことも無い空きビンなど、まるで昭和にタイムスリップしたような光景が広がっていました。
手に取った空き瓶の歴史をうれしそうに語るkさんの横で奥さんは呆れ顔です。
「いつかこの部屋に飾ってあるレトロなビンを、カウンターに並べて店を開くのがオレの夢さ」
kさんはアラフォーでも目標を持って生きているすばらしい人です。
【まとめ】アラフォー非正規は生きがいを見つけろ
それでは最後に、非正規社員で生きてきたアラフォーの男性kさんの生き方のまとめです。
【非正規になって分かった事】
- いつクビになるか分からず、将来を見出せない
【非正規で生きるコツ】
- 趣味を生きがいにする
【なぜ非正規のままなのか?】
- ダメ上司に振り回されたくないプライドがある
kさんをはじめ、非正規社員で働く殆どの人は、「やむを得ない事情」があって非正規社員を続けています。
しかし、「このまま正社員になれない」と諦めるのはまだ早いです。
まずはkさんのように趣味や特技など、何でもいいので「アナタの生きがい」を見つけてください。
そうすれば年収200万円でも必ず明るい道が開けます。