「再配達問題」や「違法労働」が明るみになり2017年2月に「働き方改革」を打ち出したヤマト運輸について語ります。
皆さんは、ヤマト運輸の働き方改革が成功したと思いますか?
「実際に効果はあったのか?」と聞かれたら、まったく効果なし。
ぶっちゃけ今のままじゃ改革なんてムリ!完全な大失敗です。
じゃー、どうすれば「本当の働き改革」ができるか?
ヤマト運輸のドライバーとして働いていた私の意見はこうです。
- 荷物の量を減らす
- ドライバーの給料を上げる
- 再配達を含む過剰サービスをなくす
しかし現場は、
- 物量はほとんど減っていない
- サービスは過剰なまま
- 未だに残る再配達
- 8nekoが使えない
未だに問題だらけ。
つ・ま・り、本気で働き方を改善する気はないんです。
なぜこれほどまで問題を放置するのか?
その理由は、今までドライバーの意見を吸い上げず、机上の空論でシステムを作ってきたダメ人間たちの影響。
という事で今回は「ヤマト運輸の働き方改革」が失敗する理由を説明します。
スポンサーリンク
無能な経営陣が作った駄作システムの影響
働き方改革が失敗する理由は、無能な経営陣が作ってきた数々の駄作システムに現われています。
「開発費1台600万円」の8nekoが使えない
ドライバーの負担を減らすために作られた「第8次neko(ネコ)システム」通称8nekoが使えない・・・。
現場からは「とにかく使い物にならない」、「今まで通りPPだけの方が効率が良かった」と言う否定的な意見が多数あがりました。
にも関わらず支店長や主管支店長は「8neko使えよ」と小うるさく言います。
そのセリフを聞くたび
「あんた達は使ったことないくせに偉そうなこと言うな!そこまで言うならこのくずシステムを使ってみろ」
と全ドライバーは猛反発。
毎日150個近い荷物の配達と集荷をこなすのに精一杯なのに、あんな反応が遅い端末なんて使ってられませんよ!
この使えないシステムの開発費っていくらだと思いますか?
実は一台当たり600万円もの大金がかかっています。
- 「伝票を抜かなくてもよくなるよ(DNT)」
- 「トラックに荷物を積み込む場所まで出てくるぞ」
- 「自動的に配達ルートを設定してくれるんだって」
導入前、「こんなに素晴らしいシステムだ」と説明されましたが、蓋を開けてみたら全く使えないクソシステムだったというオチ・・・。
- 本体が重くて邪魔
- 朝から夜までバッテリーが持たない
- 使い過ぎて端末本体が熱くなるとフリーズ
- PPは片手で使えたけど大きすぎる8nekoタブレットは両手じゃないと無理
- 配達中に地図を確認しようと8nekoを開いても、地図表示までに10秒以上
まったく使い物にならず、ほとんどのドライバーは今まで通り伝票を抜いて対応しています。
早朝アシストさんからも不評の嵐
最初は、モデルセンターの早朝アシストさんが中心になって使ってましたが、以下のようにアシストさんからも不評の嵐。
- 充電がすぐになくなる
- 自動読み取りはB2伝票のみ
- 手書き伝票は手入力しないとダメ
- 入力を間違えると取り消すのが面倒
- とにかく端末のレスポンスが悪い(反応が遅い)
- PP一台で足りた読み込みが8nekoタブレットにも必要で手間が増えた
結局、アシストさんもドライバーと同じく「今まで通り伝票を抜きながら、PPで読み取って積み込む方が早い」という意見が多く出ました。
改善されのは労働時間だけ
労働時間「だけ」が8時~21時に改善された。
つまり、給料は「働き方改革前と同じ」ですから、働く時間が減った分給料が減りました。
「給料が良かったから今まで勤めてきたけど、これじゃやってらんねーな!」
と多くのドライバーがボヤいています。
労働時間を減らすなら、減らした分だけ給料を上げないと現場のドライバーは辞めるしかない。
何よりみんな生活がかかてます。単に給料を減らされたくらいじゃ、納得がいきません。
「積み込み」と「事務処理時間」は考慮されてない
8時~21時というのは、名目上の勤務時間であって、自在は7時前後に出勤して22時近くまで働かないと時間内に仕事が終わりません。
特に夏と冬の繁忙期は8時出勤だと、伝票処理と使いものにならない8nekoのせいで、センターを出るのは9時30分くらい。
これだと10時までのタイムサービス配達に間に合わないし、午前中指定も廻りきれずクレームになります。
上層部の連中は「8時~21時なら労働基準法に引っかからないだろう」と設定しているだけ、何の改善策にもなりません。
無くなったのはVIPとヤマト便だけ
ドライバーの負担を減らすために、荷物数を抑制すると宣言したヤマト運輸。
しかし無くなったのはたったこれだけ。
- VIP(クレジットカードなどの貴重品)
- ヤマト便(30kg以上の荷物)
不在率・配達個数が多いAmazonとZOZO、楽天の荷物は相変わらず多くて、再配達地獄がドライバーを苦しめています。
【関連記事】>>退職を引き止められて「心が揺らぐ人」のダメすぎる3つの特徴
12時~14時の配達廃止は意味なし
「12時~14時の配達をなくした・・・」でも現場は忙しいままです。
この時間、現場のドライバーは
- 不在荷物の再配達
- 午前中に廻りきれなかった荷物の配達
をやっている。
つまり、昼休みなんて取っている暇なんてなくて、今までどおり配達業務に追われています。
「20時~21時も同様」
「20時~21時の再配達をなくしても」忙しい。
結局荷物が残ってたら配達しなければならないし、不在は持ち戻らなければならないので負担は減りません。
アンカーキャスト
「現場が忙しいから人を増やせばいい」という安易なノリで加わった「アンカーキャスト」
入れたはいいけど、
- 地理に疎い
- 配達業務未経験者
など問題は山積状態。
年収の低さとドライバーの給料減
激務といわれるヤマト運輸の仕事を、午後から夜までとはいえ想定年収300万円~400万円で請け負うのは割に合いません。
更にアンカーキャストに頼んだ分、ドライバーの配達数が減る・・・。
すなわち、ドライバーの給料が減るという悪循環を生み出しています。
スポンサーリンク
会社の風土がダメ
社員を大切にするのがヤマト運輸の会社風土と言われましたが、実際は既婚者を大切にする風土というのがただし言い方です。
実はこの風土にも色々と問題があります。
独身社員を大事にしない
独身は既婚者と同じ仕事をこなしても「5万円以上少ない給料」
【関連記事】>>ヤマト運輸の扶養手当はいくら?「家族3人分」の金額を教えます
扶養家族がいるドライバーには充分すぎるヤマト運輸の福利厚生は、独身社員にとっては差別としか感じないでしょう。
「オレは水を飲むのも我慢して走り回ってるのに、楽なコースのあの人より給料少ないなんて納得できねー」という若手の声をよく聞きました。
「集荷がほとんどない住宅地域」を担当すると、体力と精神力を無駄に消耗するだけで、まったく稼げません。
人手不足を解消して荷物を捌きたいなら、全ドライバーの給料を上げないと、いつまでたっても改善されません。
【関連記事】>>ブラック企業が無くならない「5つの理由」と泣き寝入りしない方法
すべてドライバー任せ
「仕事はドライバーに全部やらせればいい」
これがヤマト運輸上層部の本音だと私は思っています。
- 積み込み
- 配達
- 荷物の追跡
- 集荷
- 物販営業
- 事務処理
- 安全運転
- 客からの問い合わせ
ドライバーは1日これだけの仕事をしないと給料をもらえません。
「プロだったら全部やれ。甘えるな!」という意見もありますが、そういう人は1日でもヤマト運輸のドライバーを体験してください。
冗談抜きで本当にキツイですから。
スポンサーリンク
未解決の問題
「放置された再配達問題」「クール宅急便の管理」はどうなったのでしょうか?
なくならない再配達
「再配達問題は未解決」
ニュースで取り上げられなくなった再配達問題・・・。
「え?テレビでやらないから解決したんでしょ?」という声が聞こえてきそうですが、そんなことを言ってる人は、いつも再配達させてるイヤな客じゃないですか?
さっきも書きましたが未だに解決してない。というか解決できないと言った方が正しいでしょう。
- 帰宅時間が遅い客は再配達の連絡を入れられない
- 再配達を有料にすると「在宅だった」とクレームの嵐
この有様です。
改善しようにも能無しの上層部じゃ、どうしていいか分からないんでしょうね。
クール宅急便の常温仕分け→未だにやってる
ツイッターに「クール便仕分けの実態」をリークしている人がいましたけど、あれだって未だ改善されず・・・。
情報がリークされてしばらくは「あーしろ。こーしろ」って必死になって言いますが、一週間もすると元通りの仕分けに戻ります。
でも勘違いしないでくださいね。
現場の人間は「これじゃダメだ」って知ってますし改善したいと思ってます。
しかし、上層部に何か提案しても「予算がない」と取り入れてくれません。
ですから、
- 冷蔵庫で仕分けを行わない
- 夏場にクール宅急便を長時間放置
- トラックの冷蔵・冷凍庫に入らないクール便は荷台に放置
これらは変わっていません。
クール宅急便って
- 5分間で仕分けを終わらせる
- 外気に触れるのは最大30秒まで
という530仕分けルールが社内規定でありますが、こんなの守れません。
上司連中は「クール専用のコンテナがあるんだからちゃんと使えよ」と言います。
しかし、専用というだけで実際は蓄冷材を敷き詰めた単なる箱で、荷物量が多いとすぐにいっぱいになってコンテナの役割を果たしません。
ヤマト運輸の上司連中は、言うだけ言って何も対策せず、全部現場のせいにします。
客の言いなり
「もう一回来てよ!」
集荷が終わった直後に電話がかかってきて、「再度集荷に来い」と何度も言われました。
すでに客先から離れているので「明日にしてもらいたい」と丁重にお断りしたら、
「ふざけた事いうんじゃねー」ってキレられたことがあります。
しかも取りに行ったら「まだ梱包できてないからちょっと待って」ってふざけたことぬかしやがる客。
「こっちは1秒も無駄に出来ねーんだよ」と心の中で怒りくるってましたけど、笑顔で対応しました。
ヤマト運輸のドライバーやってると、客の言いなりなんだってつくづく思います。
ヤマト運輸の経営方針に、「サービスが先、利益が後」っていうのがありますけど、過剰サービスは会社の首を絞める結果になるって、経営陣には認識してもらいたいです。
本気で働き方改革したいならここを変えろ!
「ヤマト運輸の働き方改革」を成功させるには?個人的な解決策を述べます。
物量を減らせ
「物量を減らさないと何も変えられない」
まず最初にやらなければいけないのは物量の抑制です。
毎日が繁忙期状態の現場・・・。
多すぎる荷物を捌けないから、ドライバー一人ひとりに大きな負担が掛かり身動きが取れない状態になってます。
VIP・ヤマト便だけじゃ現場の忙しさは改善されません。
まずは不在率が高いAmazon、ZOZO、楽天などの通販専用荷物を減らせば、現場の負担はかなり軽くなります。
配達時間の見直し
時間指定サービスを見直す時に来ていると感じます。
その理由は、時間指定サービスが現代人の生活パターンと完全にミスマッチだからです。
- 出勤時間が早く、帰宅時間が遅い独身者
- 8時に家を出ないと仕事に遅れる共働きの人
- いつ家にいるのか分からない一人暮らしの学生
- 子どもだけで留守番している家は宅急便が来ても出ない
このように、宅急便が出来た当時と比較して、日本人の生活パターンが大きく変化している現在。
午前中、14時~16時、16時~18時、18時~20時なんて細かい時間設定をしたってムダです。
昭和はとっくに終わって令和の時代に、午前中からのん気に洗濯物を干して掃除機かけて昼飯作る専業主婦なんていませんよ。
今後は、
- 午前中指定は企業のみ対応に変更
- 個人宅の午前中配達は土日祝日のみに変更
これくらいやらないとドライバーは疲弊し続けるだけで、何の解決策にもなりません。
給料を上げろ
「社員のモチベーションを上げる方法は給料アップしかない」
現場で汗水たらして働くドライバーはこう言います。
「こんなにキツイ仕事なのに下がり続ける給料・・・。どうやって仕事の価値を見出すんだ!?」
今まで給料だけが魅力だったヤマト運輸から給料を取ったら何も残りません。
センターによって「給料は変わらない」「変わった」様々な意見がありますが、センター間で給料が変わるくらいなら、荷物量を減らしてドライバーの負担を減らすべきです。
365日営業をやめろ
「お盆と正月くらいドライバーを休ませてあげて」
ヤマト運輸は365日営業を続けていますが、いい加減やめるべき。
地方から上京してきたドライバーだってたくさんいるんです。
正月くらいは地元に帰省して旧友と羽目をはずしてリフレッシュしたいでしょう。
「休み取れば大丈夫」って考えなんでしょうかね?
でもお盆・正月に有給つかったら社員たちはいい顔しませんよ。
せめて物流が減る正月くらいは完全休みにして社員をリフレッシュさせてください。
地方のドライバーだって暇な正月に仕事するより家でゆっくりしたですよ。
本社のやつらはお盆も正月もあるんでしょ?現場だけないって不公平じゃないですか!
センター止めを宣伝し割引け
「センター止めをもっと普及させるために割引額を増やせ」
ヤマト運輸のセンターに荷物を取り置きできるのを知っている人って案外知られてません。
更にセンター止めにしたら100円引きになるって知っている人もほとんどいません。
「場所に届けるんじゃない。人に届けるんだ」とカッコいいCMを流すまえに、センター止めを広めるべきです。
オークションで落札した商品をヤマトなどの営業所留にできますか。
【質問者】
送料着払いにもできますか?
【回答者】
出来ますよ♪いつも営業所止めにしてもらってます。
はこBOONもクロネコメール便も可能です。
ただし、案外知らない出品者がいるので、ナビには↓↓
『営業所止め置きでお願いします。と書きます。
置き配を認めろ
「日本郵政を見習って置き配をしろ」
研修の時こんなことを教わりました。
「昔は配達先が不在でも、近所の人に荷物を受け取ってもらってたけど、最近はプライバシーの問題もあり絶対にやらないでください。」と・・・。
配達時間の見直し項目で書きましたけど、プライバシーがあるなら「玄関内」にでも置かせてもらえばいいんです。
「盗難が心配?」
だったら宅配ボックスを購入してもらうか、センター止めにして好きな時間に取りに来てもらえばいいんです。
いつまでも客の言いなりで再配達なんてやってたら、永遠に配完になりません。
アンカーキャストを廃止して2名配達にしろ
「2名乗車にしたら半分の仕事量ですむ」
更に2人での配達は精神的余裕が出て事故率は下がります。
ただし、朝から夜までの2名体制は人件費がかさむので、午後~・夕方以降など工夫する必要はありますけどね。
2名体制が難しいなら、アンカーキャストと2名乗車で乗り切る方法もあります。
【まとめ】一番大切なこと
働き方改革を成功させるための個人的な意見を書いてきました。
- 物量を減らせ
- 配達時間の見直し
- 給料を上げろ
- 営業時間を見直せ
- センター止めを増やせ
- 置き配を認めろ
- 2名乗車
これらが正しいわけじゃありませんし、実現できないものもあるかもしれません。
でもそれはやってみたいと分からないことですし、上層部が一方的に決めたところで解決できるもんだいではないです。
一番いいのは以下の実行です。
ドライバーの本音を聞け
ヤマト運輸本社の経営陣は現場で働くドライバーや、営業所の窓口の人間の意見をもっと聞くべきです。
- 8neko
- 労働時間の改善方法
- 物量を抑制しない
- 意味がない再配達の廃止
- アンカーキャストの導入
その場しのぎのアイディアばかりを一方的に仕事を押し付けているだけで、何の解決にもならず経営陣と現場の「考え方の差」がどんどん広がるばかり。
【関連記事】>>【ヤマト運輸の内部事情】異動してきたセンター長に●●された新人
8nekoがいい例です。
1台あたり600万円もかけたのに、現場で使うドライバーの意見を何も聞かずに作ったせいで、ただのゴミシステム。
インターネットの普及で手軽に利用できるようになった通販にあわせて、も昔のやり方を捨てた改革を打ち出さない限り、ヤマト運輸は変われません。
- 現場に必要なものは何か?
- 現場はどんな考えで仕事をしているのか?
- 現場はどう改善してほしいと願っているのか?
今後は、これらを経営陣が真面目に考えて知恵を絞り、現場を理解して始めて「ヤマト運輸の働き方改革」が成功すると思っています。
ただし、本当の働き方改革が実現する見込みはゼロです。
このままヤマト運輸で働くと、労働時間と一緒に給料が減らされ続けるだけですから、この機会に転職活動を始めましょう。